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尾籠瓦工業です。
今回は棟の積み直しの紹介です。
現場は熊本県阿蘇になります。
熊本地震被害によるものですが、まだまだ手の届かない現場があるようです。
今回の棟はなかなかの大物です。
長さと段数があり、鬼瓦側は目地積みを施します。
まずは既存の瓦と南蛮を撤去します。
南蛮は固まると手で崩すには時間がいくらあってもたりないので、電動ピックで崩しました。
その際に下の瓦まで割らないように注意します。
次には鬼を固定し直して、耐震施行の長い釘を打ち込みます。
そして南蛮を置いていきます。
そして、表面を撫でます。早くしないと南蛮が硬くなってしまいます。
次は熨斗を置いていきます。
今回は煽り熨斗2段、次に普通の熨斗を5段積みます。
最後に丸を固定しながら収めていきます。
これで完成です。
かっこいいラインが出ています。
鬼のし上がりはこんな感じです。
煽り熨斗を使うことで土台の南蛮も広く出来ます。
よって安定感が出て、どっしりとした棟に見え、耐震としても安定します。
また耐震施行により熨斗を全て銅線固定し、棟が一体化しています。
鬼の上についている瓦、鳥伏間です。
通常は筒の部分が鬼の上に乗るような施行が標準です。
しかし、この棟の場合屋根の大きさ、鬼の大きさなどを考慮して鳥伏間の筒ではなく丸の部分を鬼の上に
置いた方がボリュームと迫力があることからこのように施行しました。
既存もこのようになっていました。
どうするか本当に迷いましたが、下から見て見た目のよさで選んだのが上に置いた形でした。
そのための熨斗積みと目地積みは難しかったですが、良いものが出来たと思います。
この工程はほぼ二人で6日で完了しています。